概要
1960年代にレヴィ=ストロースにより有名になった。
レヴィ=ストロースに関して学ぶのが構造主義理解では近道でしょうか。
入門書
はじめての構造主義:入門書としては最適かな
関連書籍
さよならダーウィニズム―構造主義進化論講義:多少問題のある書籍だが構造主義進化論の導入としてはありだろう。ただ、専門知識があると変な所もややある。
関連人物
ぼくの理解
ヘーゲルの「歴史」の概念、それを継承したマルクスおよびサルトルの歴史概念を崩壊させた、と理解している。というか西洋の支配概念を終了させたという見方をしている。
実質的にマルクス主義、実存主義の完全否定であり、植民地思想の否定でもあります。これにより西欧社会は現代社会となったという見方が可能。第一次世界大戦、および第二次世界大戦を越えた西欧の現代化にともないこのような思想が発生したのはごく自然だったのかもしれません。
ぼくは構造主義は良いと思いますが、心酔しているわけではないです。哲学的な側面では問題もありますしね。ただヘーゲルへの不満を解決してくれた事が好きです。
また構造主義を理解するとマルクス主義がいかに問題のある思想がはすぐにわかります。まあヘーゲル的歴史認識が魅力的なのは理解できないでもないですが、無意味でしょう。
ただ構造主義はマルクス主義(というよりヘーゲル主義)により悪用された面もある。ポスト構造主義もちょっとヘーゲルをひきづっている。構造主義を相対主義と見るのは誤りだではないでしょうか。まあ、どう見てもいいのですが。
構造主義の影響力は非常に大きい。進化論、遺伝子学、人工知能研究といった分野にも影響を及ぼしている。
わたしはウィトゲンシュタインを学んだ後に構造主義だったせいか、ウィトゲンシュタイン大好き時代に読んだからか哲学としてはだめだと思った。だって哲学的にはウィトゲンシュタインによってすでに越えられているんだもん。(時代は構造主義確立の方がウィトゲンシュタインよりやや後です)
ただ、現場研究が持ち込まれた事はとっても画期的だと思う。これによりあらゆる物の研究がすすんだのだし、学問の方法論として確立されたのが良いのだと思う。
構造主義ってのは哲学や思想として見るより、事実を研究する時の方法としては有用な物だと思います。ただし、これですべてが解決するわけじゃない。構造主義で研究したら、その後に結論を自分の頭で出す必要がまっている。
構造主義の限界というのはどんなに科学技術が発展しても、すべての事が研究されつくされても「本当の意味」がわかったわけではない、という認識として現代社会にある限界と同一の物です。
ポスト構造主義は構造主義が構造のみによって世界を認識しようとしたことへの批判として登場しています。構造から再び主体へ、という見方ができるかもしれません。