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PGP6.5簡易マニュアル

第1章:PGPとはなにか

Last extention:2000.5.22
1-1:PGPとはなにか 1-2:PGPの必要性 1-3:PGPの仕組み 1-4:PGPはかっこいい

1-1:PGPとはなにか

 PGPは「Pretty Good Pryvacy」の略で、アメリカのPhilip R.Zimmermann(フィ ル・ジマーマン)氏により製作された暗号化ソフトの名前です。PGPはそれまでに使用されていたいかなる暗号化ソフトよりも強力かつ便利なソフトだったため急激に普及しました。そして世界中で利用されるようになりました。

 PGPには「US版」と「国際版」が存在します。このようになった理由のしては以下のことが有ります。
 PGPの機能が充実し、暗号化能力が上昇するとアメリカの輸出規制に引っ掛かる事になってしまいました。アメリカに於いては暗号化技術は兵器とされていて、強力な暗号化技術は海外への輸出が規制されているのです。アメリカ以外に住んでいる人はしばらくの間はあまり強力でない(充分では有ったが)PGPを利用せざるを得ませんでした。
 しかしアメリカでは出版物の輸出は規制できないことになっています。そこでPGPの全プログラムコードを本に印刷し出版物として輸出し、それをOCRなどでパソコンへ読み込み、OCRのミスを修正しコンパイルすることにより強力な暗号化能力をもつ「PGP国際版」が誕生したのです。

 強力なPGPが利用できるのは多数の人の努力によるところが大きいので感謝は常に忘れないようにしたいものです。

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1-2:PGPの必要性

 なぜPGPは必要とされたのでしょうか?
 インターネットは簡単に情報がやり取りできる反面、情報が非常に漏れやすいのです。なぜ情報が漏れやすいのかはネットの構造を知っていればよくわかりますが、メールは誰にでも読まれる可能性が有ります。そのことだけは十分に知っておきましょう。

 メールをのぞき見するのはだれにでもできる簡単なことです。ではどのようにのぞき見するのでしょうか?これを知るにはメールが送られる構造を知る必要が有ります。
 まず、メールソフトの初期設定をしたことがある人ならわかると思いますが、メールの送受信にはPOPサーバとSMTPサーバが必要です。POPサーバーはメールの受信に必要であり、SMTPサーバーは送信に必要です。
 メールを送信した場合は一般的には以下のようになります。
メール送信 -> SMTPサーバー -> (場合により複数のSMTPサーバ) -> POPサーバー ->メール受信
 ほとんどの場合は複数のSMTPサーバーを通ります。そして処理の性質上通過したSMTPサーバにはメールのコピーが残ります(当然プロバイダーのSMTPサーバーにも残る)。これはサーバーの運営者ならばだれでもそのメールを覗くことができることを意味します。
 ここで、そんなことプロバイダがするわけないと反論する人もいるでしょうが、一部のプロバイダでは変な動向をするメールは読んでいるようです。また安価なメールサーバソフト(たとえばEIMSなどは20ドルです)を使えばだれでもSMTPサーバを立ち上げることができますので、のぞき見はかなり簡単です(ただ特定の人のメールを常にのぞき見るのは難しいですが)。
 まあ電子メールはのぞき見されて当然だと思っているのがよいと思います。

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1-3:PGPの仕組み

 MacPGPの仕組みを簡単に説明します。
   たとえばあなたが内緒のものを箱にいれて送りたい場合、送りたい相手に鍵が開いたままの南京錠を送ってもらい、鍵は相手に持っていてもらいます。そしてこちらで南京錠をしめて相手に送ります。相手は自分の持ってるいる鍵でその南京錠を開けることができるわけです。
 つまり南京錠は鍵が開いていても、閉めることはできます。また相手が鍵を持っていれば開けることができます。また南京錠だけが配達途中に盗まれても被害はほとんどありません。
 以上のように非常に単純ですが、奥が深い原理なのです。

 暗号化の仕組みに関しても簡単に説明しておきます。
 たとえば7×13を計算すると、答えは91です。
 では91は何×何ですか?、と突然聞かれたらあなたは確実に答えられますか?
 これは素数(1と自分自身以外では割りきれない数)同士の掛け算なので答えは一つしかないのですが、意外に時間がかかります。これだけ単純なものでもコンピュータに取ってはかなり時間がかかったりします。無論桁が大きくなれば大きくなるほど時間がかかることになります。この原理を応用したのがPGPの暗号なのです。
 PGPの暗号は、実際には相当の桁数の数字を扱っているので現在のコンピュータでも結果を出すのに数億年かかるかもしれません。それだけ時間がかかれば、解読する意味がなくなるわけです。

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1-4:PGPはかっこいい

 ここでPGPに関して説明してきましたがいまいちな人もいるかもしれません。
 だいたいが一般にはあまり暗号化しなければいけないメールなんてほとんど無いでしょう。しかし、PGPを使っているのはとにかくかっこいいです(^_^;;。「暗号」。この言葉だけでも素晴らしいですね・・・・・わくわくしますね(^_^¥¥
 なにも全てを暗号化する必要はぜんぜんないですね。たまに暗号化するとたのしいな・・・って良いかと思います。本当に秘密にしたいことでも、PGPを使って電子メールを送ればそれは郵政省メールよりも安全です。いざ使う場合でも普段使ってると楽ですしね。
 大いにPGPを活用してネット上でのプライバシーを確保しましょう(建前ですね(^_^;;)。

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