MPWの基本はMPW Shellを使用することです。MPW Shell(以後Shellと表記)はUNIXのShellをかなり意識して作ってあるみたいで、結構似た機能が含まれている(らしい)です。MacOS XになるとUNIX的な常識が(全部でなくても)通るようになると思いますので、慣れとくといきなりパワーユーザーの仲間入りかもしれません(無理だって(^_^;))。
MPWそのものが、Macintosh Caracter Set(文字セット)を完全利用している(って書いてある)ので、日本語フォントを利用しないほうがいいです。記号類が文字化けして分かりにくくなりますし、余計な設定が必要になったりします。まあ、でも日本語使わないでの開発はしないほうがいい(コメントは日本語の方がいい)ので、善し悪しですけどね・・・・
カーソル操作は通常のエディタとほとんど同じです。以下にその表を示しておきます。ちなみに、cmdはcommandキー(リンゴマークキー)、optはoptionキー(altキー)のことです。
動作 | キー操作 | 動作 | キー操作 | |
---|---|---|---|---|
トップへ | cmd+opt+↑ | 最後へ | cmd+opt+↓ | |
1ページ上 | cmd+↑ | 1ページ下 | cmd+↓ | |
1行上 | ↑ | 1行下 | ↓ | |
行頭 | cm+opt+← | 行末 | cmd+opt+→ | |
1単語左 | cmd+← | 1単語右 | cmd+→ | |
1文字左 | ← | 1文字右 | → | |
トップまで選択 | cmd+shift+↑ | 最後まで選択 | cmd+shift+↓ | |
左1単語削除 | opt+delete | 左1文字削除 | delete |
この表ではやや分かりづらいかと思います。もう少し分かり易い図が、MPW始めの第一歩(http://www.linkclub.or.jp/‾kohyama/MPW.html)にありますので参考にしてください。
このカーソル操作は、変更が可能です。あとの章で変更方法の説明をします。
コマンドとは、MPWで実行させる命令の様なものです。使っていくうちに概念がわかりますので、取りあえず使ってみます。
まずは HELPと書いて、enterを押します。何度も書いていますが、Shellはreturnとenterを使い分けています。コマンドを実行する場合は必ずenterを押します。
また、MPWコマンドは大文字と小文字を区別しません。ですので、 HELPも helpも Helpでも同じです。
ずらずらと、マニュアルが表示されます。初めての場合何が何だかわかりません。ここではとりあえず、Introduction to MPWの第1章にしたがってコマンドを実行してみます。
以下のコマンドは、現在時刻が表示されます。
Date<enter>
Thursday, June 17, 1993 2:31:43 PM
-tオプションをつけると、時刻だけが表示されます。
Date -t<enter>
2:33:22 PM
オプションに関しては、Help Dateで説明がでます。また「MPW Command Reference」という書類に記述してあります。
また、
Date<opt+enter>
とすると、設定ダイアログがでます。
頻繁にDateコマンドを実行するならここで設定を変更しておくと良いです。
単純に文字を表示したい場合は、
Echo This is displayed #but this is not<enter>
This is displayed
Shell上では#がコメントマークになります。#以下の文字はコマンドの実行に影響を与えません。あとの章で、もうすこし詳しくShellのコマンドを説明します。