今までの説明はすべて、MPW-GMを利用してきました。しかし、ここでMPW-PRへのアップデートをお奨めしたいと思います。
MPW-GMは、MPW Golden Masterの略で、簡単に表現すれば、決定バージョンです。つまり、完全に動作確認がとれたものだけが含まれたバージョンです。
それに比較して、MPW-PRは、MPW Pre Releaseバージョンです。つまり、将来的にMPW-GMに含まれる可能性があるが、現在は開発中(動作確認中)であるもの“のみ”が含まれます。つまり、MPW-PRだけでは、MPWとしての機能を完全に果たすことはできません。このMPW-PRは意欲的な機能が盛り込まれているため、開発が便利になるものが多く含まれています。MPW-PRへのバージョンアップを奨めるのは、この理由からです。
ただし、開発中であることから、一部機能は環境によっては不具合を起こす可能性もあります。かならず、自己責任で行ってください。ぼくは、どのような状態になっても責任を持てません。あくまでも、紹介してるだけに過ぎませんので(^_^;)。
では、バージョンアップ方法を説明します。MPW-PRには、非常に多くの部品が入っていて、いちいち手作業で移動するのは面倒です。こういう作業をするのにもMPW Shellのコマンドが利用できます。
ではShellを立ち上げ、以下のように記入してください。
4行目の"insert pathname of MPW-PR folder here"の部分にMPW-PRがあるフォルダまでのパスを書きます。パスがよく分からない場合は、この文章を消して、MPW-PRフォルダをドラッグ&ドロップすればパスが書き込まれます。
設定できたら、全行を選択して、enterを押します。すると移動すべきファイルがでるので、やはり全行(移動したいものだけでも良いですが)選択して、enterを押します。
これで移動が完了します。本当の完了はShellを終了しないと行われませんので、一度終了してください。MPW Shellと同じフォルダ内にbusyFolderと言う名のフォルダができて、この中に古い部品が集められています。Shellを起動して、動作が確認できたら、これは捨ててしまっても構いません(残して置いたほうが安全ではあります)。
これ以後はこの作業が完了しているものとして説明を行います。なるべくここでMPW-PRをインストールすることをお奨めしときます。
この作業がうまくいかない、または、画像が小さくて見にくい場合は、MPWのFTPサイトから「About MPW etc.」というPDF書類を入手して読んでみてください。
簡単にここでのコマンドの説明をしときます。
まず1行目はMPW Shellと同じフォルダにbusyFolderという名前のフォルダがあるかを判断しています。無ければ、2行目で、busyFolderを作成します。あれば、4行目にゆきます。
3行目は判断文(If文)の終了を示します。4行目はディレクトリのセットをしています。5、6行目はまず、MPW-PRの部品をbusyFolderにバックアップしてから、MPW-PRの新しい部品を上書きしています。
次の章で、MPWのコマンドに関して説明しますので、ここではあまり理解する必要はありません。なんとなく分かればいいです。