Finkの利用方法の解説
Finkに関して記述します。
Mac OS X10.2対応文書
Mac OS Xにおいては大くのUnix Softwareが動作しますが、一部は変更が必要になる場合もあります。また動作するとしてもだれも試験していない場合もあります。
また./configureでインストールした場合uninstallがむずかしいsoftwareもあります。
FinkはUnixのOpen Source softwareをMac OS Xにパッケージとして移植するプロジェクト、および、移植したsoftwareを扱うためのソフトの名称です。
プロジェクトのWEBサイトはhttp://fink.sourceforge.net/です。
移植されたsoftwareのリストをAll Packages ByNameで見る事が出来ます。
すでに2000を越えています。
最大の利点はOpen Sourceなsoftwareを比較的気軽に取り扱えるという点にあります。プログラムのソースコードを直接読める事は安心感があります。
また多くのsoftwareの利用に対価が求められないというのも重要だとおもいます。
対価が求められない反面、利用は自己責任になります。
問題がおきてもプログラムのソースコード読めば原因が特定できる場合もありますから、その点では合理的に感じます。
とりあえず便利ですので、自己責任の範囲で利用するといいです。
Finkを利用する場合DeveloperToolsをインストールしておく方がよいです。なくてもよいですが、その場合はソースからのインストールができませんので、あまりおもしろくありません。
またソースからのインストールしかできないプログラムが多いです。
あとは、忍耐力が必要なようです(Fink User's Guideより)
ISDN環境やモデム環境ではダウンロードに時間がかかるsoftwareもあるので気をつけてください。
Fink Downloadsからインストーラを入手します。Fink 0.x.x Binary Installer(xはバージョン)をクリックしてダウンロードします。
fink-0.x.x-installer.dmgをダブルクリックして指示にしたがいインストールすれば問題ありません。
インストール後$HOMEに.cshrcと言うファイルを作成し、以下のように書きます。
source /sw/bin/init.csh
もしbashに変更している場合は.bahrcに、
source /sw/bin/init.sh
です。
echo "source /sw/bin/init.csh" > .cshrc
とするのが簡単です。
echo "source /sw/bin/init.csh" >> .cshrc
これで追加書き込みになります。
TerminalもしくはJTerminalで以下のように打ちます。
fink list
インストール可能なsoftwareが列挙されます。
ゆっくり見たい場合は
fink list | more
です。
また目的のプログラムがある場合は
fink list プログラム名
で、そのプログラムがパッケージされていれば表示されます。
インストールを確認したらプログラムリストを更新します。
fink selfupdate-cvs
プログラムリストは最新のプログラムをどこから探すかを指定するリストのファイルです。
このファイルが最新でないとプログラムが取得できずエラーとなる場合がありますので注意してください。
Finkの設定ファイルは
/sw/etc/fink.conf
です。
通常の利用では書きかえる必要はありませんが、unstable(非安定)なプログラムを入れるのが好きな人柱精神がある場合は、Treesの所を以下のように書き換えておくとunstableなパッケージも利用できるようになります。
Trees: local/main stable/main stable/crypto local/bootstrap unstable/main \ unstable/crypto
finkのコマンド、オプションは以下です。
コマンド | |
---|---|
install | 指定したパッケージをインストール/アップデートする |
remove | 指定したパッケージを削除する |
selfupdate | Fink自身を最新にアップデートする |
update-all | インストールれているパッケージすべてをアップデートする |
configure | 設定のプロセスを再度おこなう |
list | 利用できるパッケージをリスト、名前でフィルタリング可能 |
apropos | キーワード(正規表現)に一致するパッケージをリストする |
describe | 指定したパッケージの詳細説明を表示する |
オプション | |
--help | ヘルプ表示 |
--version | バージョン表示 |
fink install package-name
です。この場合ソースインストールとなるのでDeveloperToolsが必須です。
コンパイル済みバイナリのインストールを行なう場合は次章で説明するAPTを利用してください。
X11 for Mac OS XやX on X、XDarwinなどをすでにインストールしている場合は
fink install system-xfree86
をインストールしてください。
X11 for Mac OS XではライブラリがSDKとして別配布となっています。SDKがインストールされていないと、system-xfree86はインストールできません。
FinkはAPTを基にしています。
APTとはLinuxデストリビューションの一つであるDebian GNU/Linuxが採用しているパッケージ管理システムです。
コマンドの利用方法およびパッケージの作成方法などすべてDebiian GNU/Linuxと同様になります。
APTの詳細は「APT HOWTO」を読めばよくわかりますが、ここで簡易に説明を記述しておきます。
プログラムの中には別のプログラムに動作依存している物もあります。
例えばAというプログラムはBというプログラムがないと動作しないなどです。
FinkではAPTのシステムを利用して、これを検出し、依存プログラムも同時にインストールします。
APTそのものはインストール作業をしません。純粋に依存関係の検出管理をするだけです。
インストール作業はdpkgが行ないます。APTはdpkgのフロントエンドです。
基本がAPTとdpkgなのでこれらを知る事でよりFinkの理解が深まります。
以下のようなコマンドで構成されます。
APT関連:apt-cache,apt-cdrom,apt-extracttemplates,apt-config,apt-get,apt-sortpkgs
dpkg関連:dpkg,dpkg-architecture,dpkg-buildpackage,dpkg-checkbuilddeps,dpkg-deb,dpkg-distaddfile,dpkg-genchanges,dpkg-gencontrol,dpkg-name,dpkg-parsechangelog,dpkg-scanpackages,dpkg-scansources,dpkg-shlibdeps,dpkg-source,dpkg-split
その他:dselect
主な物だけ解説します。
利用は難しくありません。
インストールの場合は
apt-get install package-name
だけです。
ほかの操作は
apt-get -h
で調べてください。
パッケージの管理情報を参照、検索するコマンドです。
apt-get search package-name
にてfink listと同様な事が可能です。
UNIX精神では自分でつくる事になります。
なかなか楽しいです。
Finkのパッケージの作成方法は「Creating Fink Packages」に詳細な記述があります。
この大枠はAPTのパッケージングとほぼ同様ですので
「APT HOWTO」「Debian メンテナ入門」「Debian ポリシーマニュアル」
の文書が役に立つでしょう。
最初は改造から始めるのがよいと思います。
未完成